テレワークでやる気が出ない理由とは?会社が行うべき9つの対策

テレワークでやる気が出ない理由とは?会社が行うべき9つの対策

テレワークを導入しようと考え、一度試してみたものの従業員のやる気が出ず、継続は難しいと悩んでいる労務担当者の方は多いかもしれません。
しかし、会社側が快適なテレワーク環境を作る対策を講じることで、出社時以上の生産性を出せるケースがあります。
そこで今回は、従業員のやる気がでない原因とその対処法、会社側がテレワーク導入時に意識すべきポイントについてご紹介します。

テレワークのやる気がでない6つの理由

まずは、なぜテレワークを導入すると従業員のやる気がでなくなるのか、その理由を挙げます。

環境の変化によるストレス・集中力の低下

テレワークでは、通常のオフィスとは異なる場所(自宅やサテライトオフィスなど)で仕事をするため、新たな環境に適応する必要があります。しかし、この変化によるストレスは、やる気を低下させる要因となる可能性があります。

自宅でのテレワークにおいては、家族やペットの存在が集中力を妨げる一因となるかもしれません。家族が話しかけてきたり、ペットが邪魔をしたりすることによって、仕事に集中しづらくなることもあるでしょう。
また、テレワークのためにサテライトオフィスを利用する場合でも電話の着信音や話し声、タイピング音などで集中力が散漫になることがありますし、サテライトオフィスの環境に慣れていないため、不便さや違和感を覚える可能性も考えられます。

コミュニケーションの課題

テレワークでは直接的なコミュニケーションに制約が生まれます。その結果、チームメンバーや上司に相談することの難易度が出社時と比べて高くなりがちです。なぜなら、直接会えないことから、相手の表情や声のトーンを読み取れず、誤解やコミュニケーションミスが生じる可能性があるためです。

以前からメールやチャットなどのテキストベースのコミュニケーションを取り入れていたとしても、タイムリーなコミュニケーションが困難になり、レスポンスが遅れて業務に支障を来すこともあるため、こうした問題を改善する取り組みを実践しなければなりません。

ワークライフバランスの崩れ

テレワークでは、仕事とプライベートの境界が曖昧になることが考えられます。これにより、十分な休息やリフレッシュができず、ワークライフバランスが崩れてしまうのです。
一方でテレワークのメリットもあります。通勤時間が短縮できたり、ライフステージに合わせた柔軟な働き方を実現できたりと、ワークライフバランスの問題を解消できれば、以前よりも従業員が働きやすい労働環境を作れるでしょう。

リラックスしてしまう

自宅などの環境では周囲の目がないためリラックスしやすい状況にあり、仕事への集中力や意欲を欠いてしまうことがあります。そのため、会社側がある程度緊張感のある環境を保てるよう何かしらサポートすることも大切です。

仕事環境が整っていない

テレワークに適した環境や設備が整っていない場合、仕事の効率や快適さに影響を与え、やる気を低下させることがあります。
たとえば、十分なデスクスペースや快適な椅子がなければ、長時間の作業中に身体の疲れがたまり、集中力が低下する可能性があります。また、外部の騒音や前述のように家族の声などで集中力が妨げられることも考えられるでしょう。
インターネットの接続性についても、オンライン会議がうまく行えず正確に情報を伝えられないこともあります。

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従業員のやる気を引き出すテレワーク環境づくりの9つのポイント

それでは、従業員のやる気を引き出せるテレワーク環境づくりを行うために、会社としてどのような対策を講じれば良いのでしょうか。

専用型または共有型サテライトオフィスを用意する

従業員から「自宅でのテレワークでは集中できない」との声が多く上がっている場合は、専用型または共有型のサテライトオフィスを用意する手があります。

<専用型サテライトオフィス>
企業が本社や主要なオフィスから離れた場所に設置する、その企業専用のオフィスのことを指します。
専用型サテライトオフィスは、共用オフィスやレンタルオフィスとは異なり、一つの企業のためだけに存在するオフィスであるため、その企業の文化や方針を反映した環境を作りやすいという特徴があります。

<共用型サテライトオフィス>
複数の企業や個人が共同で利用できるオフィスのことを指します。このタイプのオフィスは特定の企業専用ではなく、さまざまな企業や個人事業主がレンタル契約を結んで利用するため、専用型サテライトオフィスのように企業の文化や方針を反映した環境を作りはできません。しかし、利用者は必要な期間やスペースだけレンタル可能なので、専用型よりもコストを抑えられます。

なお、自宅のみテレワーク可能とする場合は、自宅の環境を整える費用を「テレワーク手当」として間接的に一部負担するだけでも従業員のモチベーションはアップするでしょう。

コミュニケーションツールを改善する

テレワークにおいてはどうしてもコミュニケーションが制限されるため、対面のときのようにスムーズにコミュニケーションできるツールを導入するだけで大きく生産性を向上させられます。具体的には、以下のようなポイントに取り組んでみると良いでしょう。

  • ビデオ会議ツールを導入する
  • オールインワンのチャットツールを導入する
  • 進捗報告や課題共有など情報共有のルールを設ける

これらの方法を実践することで、テレワーク環境での効果的なコミュニケーションを実現できるはずです。

定期的にミーティングの機会を設ける

テレワーク実施下でのコミュニケーションを活発化させるために、定期的にミーティングの機会を設けましょう。プロジェクトの進捗や課題の共有、メンバー同士の交流を促進することで、やる気を高められます。テレワークではミーティングという形のコミュニケーションを通じてメンバー同士の信頼関係を築くことが大切です。

服務規律を徹底する

テレワークの場合でも服務規律を守ることが重要です。適切な労働時間や休憩時間を設定し、自己管理と働き方のルールを徹底させましょう。具体的には、以下のようなルールを設けることで、従業員のやる気を引き出せるかもしれません。

  • 少し余裕を持った労働時間を設定する
  • 休憩時間を取り、リフレッシュする時間を作る
  • タスク管理ツールでの管理を徹底する
  • クライアントとの急なミーティングにも対応できるようオフィスカジュアルの服装を推奨する

休憩についてのルールを設ける

テレワークでは、自宅や外出先で仕事をするため、休憩の取り方がわからなくなってしまうことがあります。定期的な休憩やリフレッシュの時間を設け、従業員のメンタルや身体の健康を保つことにも注意しましょう。
たとえば、作業を1時間区切りで分けて、15分の休憩を挟むといった方法が効果的です。このように作業時間と休息のバランスを取れるようなルールを設けることで、生産性の向上が期待できます。

作業時間を管理するツールを導入する

従業員の自己管理をサポートし、業務効率性・生産性を高めるには、作業時間を計測・管理するツールの導入が有効です。
タイマーアプリや作業時間トラッカーアプリを利用すると作業時間の計測や目標時間の設定が簡単に行えますし、作業時間の可視化やレポート機能を備えたツールを使用すれば、作業の進捗状況や時間の使い方を把握できます。

テレワークの評価制度を設ける

テレワーク下での業務成果を評価する制度を設けて、やる気を引き出す仕組みを整えましょう。具体的な評価制度としては、以下のような取り組みが考えられます。

  • 定期的な評価を行う:定期的に目標を設定し、その達成度や業績に応じて評価することで、業務の効率性や生産性についての現状を把握させます。
  • フィードバックの機会を設ける:成果や課題に対して具体的なフィードバックを行い、従業員の成長を促します。
  • 成果報酬を設定する:業績アップや目標達成に対してボーナスや昇進の機会を設けて、従業員のやる気を引き出します。

定期的にリモート学習の機会を設ける

テレワークツールへの適応力や業務に役立つスキルを向上させるために、定期的なリモート学習の機会を設けましょう。こうした学習がやる気を高めるきっかけとなることがあります。会社側からオンラインコースやウェビナーなどの教育プログラムを積極的に提供しましょう。

ストレスチェックを実施する

テレワークによるストレスを軽減するために、定期的なストレスチェックを行いましょう。従業員のやる気を引き出すには従業員のストレス状況を把握し、状況に応じてストレス管理のためのワークショップやカウンセリングの機会を提供することも有効です。従業員のメンタルヘルスを重視し、働きやすい環境を整えましょう。ストレスチェックを行う方法として、次のようなものがあります。

  • テストやアンケートを実施する
  • メンタルヘルスの面談を行う
  • ストレスチェックツールを利用する

これらの方法を組み合わせて、従業員のストレス状況を把握し、適切な対策を講じてみてはいかがでしょうか。

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やる気を出せるテレワークに!会社が意識すべき3つのポイント

テレワーク時にやる気が起きない問題は、従業員にすべてを任せていては解決できません。ここでは、テレワークを導入する会社が意識すべきポイントについてご紹介します。

ツールの導入を惜しまない

テレワークをスムーズに実施するためには、遠隔会議ツールやタスク管理ツール、労務管理ツールなどテレワークをサポートするツールの導入が不可欠です。
ツール導入の経費を削減すると生産性が落ち、業績を悪化させてしまう可能性があるので注意しましょう。

評価制度を充実させる

テレワークにおける成果や貢献度を評価する制度を充実させることが重要です。
公平で透明性のある評価基準を設けるだけでなく、従業員のやる気を高めるための仕組みも整えましょう。
従業員の成果を認める報奨制度やフィードバックの機会を増やすなど、評価制度の充実はやる気アップにつながります。もちろん、大前提として会社が評価する内容を従業員にわかりやすく明言することも忘れずに。

勤怠管理ツールは従業員との信頼関係を構築してから導入する

テレワークは自由度が高い一方で、職務怠慢、いわゆる“サボり”が懸念材料として出てきますが、過度な監視は従業員のやる気を削ぐ原因となります。テレワーク下での生産性を確認できる勤怠管理ツールを導入する際は従業員に導入経緯と目的を丁寧に説明し、信頼構築を構築したうえで運用することを忘れてはなりません。

まとめ

テレワークは現代の柔軟な働き方として定着してきましたが、「やる気が出ない」という課題は業績を維持・向上を目指す企業側として無視できません。
従業員からテレワーク時のやる気低下の声が上がった際、企業はその原因を見極め、できるかぎり早急に適切な対策を実施しましょう。従業員のモチベーション維持は、企業側の責務でもあります。

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【解決法あり】8割の人がテレワークに悩みを持っている事実
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