リモートワーク導入後に生じる企業側・従業員側の課題と5つの解決方法

リモートワーク導入後に生じる企業側・従業員側の課題と5つの解決方法

働き方改革の推進や多様な働き方の浸透により、リモートワークを導入する企業が増えました。
しかし、導入してから予想していなかった問題が生じたり、スムーズに業務が進まなかったりと課題を抱えている企業もあるでしょう。
そこで今回は、リモートワークの導入後に生じる企業側の課題と従業員側の課題、解決方法について解説します。これからリモートワークを取り入れようと考えている方は、ぜひ参考なさってください。

リモートワークの種類について

リモートワークは、時間や場所にとらわれず仕事ができる柔軟な働き方です。
近年は、ワークライフバランスの実現や仕事の効率化を期待して導入する企業が増えました。
しかし、リモートワークといってもその働き方にはいくつかの種類があります。
ここでは、それぞれの形態とメリットを解説します。

在宅勤務

在宅勤務とは、自宅で仕事をする形態をいいます。在宅勤務は主にパソコンを利用する業務が多く、会社との連絡手段は電話やメール、チャットツールを使います。
また、Web会議システムなどを利用して資料を共有しながらの会議も可能。通勤時間がない分、朝は家事や育児などに時間を使えるので、子育てや介護中の方にとって在宅勤務は働きやすい形態といえます。

モバイルワーク

モバイルワークは、オフィス勤務や在宅勤務に限らず、好きな場所で仕事ができる形態です
持ち運べるノートパソコンやタブレット、ポータブルの通信機器を準備すれば店舗や公共施設での業務が可能です。Wi-Fiが導入されているカフェや交通機関の移動中に利用でき、営業職のように頻繁に外出する業務に携わっている方に向いています。

サテライトオフィス

オフィスとは別の場所に仕事ができるスペースが設置されているのがサテライトオフィスです。「在宅勤務は子どもがいるので仕事場として使えない」「そもそも仕事をするための設備が整っていない」といった問題を解決できます。サテライトオフィスは通常とは別の「仕事場」として業務に集中できる環境が整っているスペースだと言えるでしょう。

リモートワークの普及率

国土交通省の調査によると、リモートワークの割合は特に首都圏で伸び率が大きく、2019年は18.8%だったのが、2022年には39.6%に上がっています。自分に合った働き方ができるリモートワークが普及した背景には、新型コロナウイルスの感染拡大や政府の働き方改革の推進、人々の働き方の意識に大きな変化があったからと考えられます。
(参考:令和4年度テレワーク人口実態調査

リモートワーク 企業側の課題

上記のように多くの企業でリモートワークが普及しているものの、さまざまな課題が浮き彫りになっているのも事実です。こうした予想外の事態に、対策を急ぐ企業も多いのではないでしょうか。
ここからは、リモートワークの導入により生じる企業側の課題について解説します。

セキュリティのリスクが高まる

リモートワークを導入するにあたり、企業側が最初に想定する課題はセキュリティ面ではないでしょうか。従業員がリモートワークする環境が、セキュリティ面で問題がないとは言い切れません。公衆Wi-Fiは通信が暗号化されていないものもあり、状況によって思わぬ被害を招いてしまうケースもあります。
リモートワークする従業員にはインターネット上のリスクから人によるリスクまで、セキュリティに関する教育を徹底しなければなりません。

勤怠管理ができない

オフィス勤務であれば、従業員の仕事の状況が把握しやすいものです。
しかし、リモートワークには勤務状況が見えづらいという問題があります。勤務状況を明確にする対策としてはメールや電話、チャット等で勤務時間を把握する方法があります。また、従業員の勤務状況を管理できる勤怠管理システムを利用するのも良いでしょう。

業務の効率低下

業務によっては、リモートワークによって効率が低下する場合があります。わからない点をすぐに質問できなかったり、思ったようにミーティングが進まなかったりなどのケースもあるでしょう。また、リモートワークは「誰にも見られていない」環境で仕事をするため、従業員の自己管理能力が低ければ業務の効率は低下してしまいます。
企業側としては、コミュニケーションを取りやすくするシステムを導入したり、業務日報や成果物を提出させたりして業務効率と生産性を確認する手段が考えられます。

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リモートワーク 従業員側の課題

リモートワークの導入にあたって課題が生じるのは企業側だけではありません。
リモートワークを選択する従業員にも課題が出てきます。たとえば、在宅勤務では通勤時間が削減されるので、時間を活用できるメリットがあります。しかし、仕事とプライベートを区別しなければならないなどの課題も生じるでしょう。
このほかにも、従業員側の課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

環境整備

リモートワークするには、リモートワークに適した環境を整えなければなりません。
在宅勤務の場合は端末の準備からインターネットに接続するための準備まで、自分自身で行わなければならないでしょう。同時に、情報漏洩防止のためのセキュリティ対策の課題もあります。
また、リモートワークは好きな場所で仕事ができるメリットもありますが、仕事に集中できなければ業務が滞ってしまいます。自己管理についても従業員側の大きな課題といえるでしょう。

長時間労働の発生

リモートワークを導入するにあたって企業側が勤怠管理していれば、従業員の長時間労働の発生は防げるかもしれません。しかし、管理していたとしても仕事とプライベートの区別がつきにくくなり、つい長時間労働してしまうケースがあります。
長時間労働は健康面に悪影響を及ぼしかねませんし、労働基準法に違反する可能性もあります。業務スケジュール管理の徹底や休日は仕事をしないと決めるなど、従業員を長時間働かせない体制が必要です。

コミュニケーション不足

リモートワークしていると、コミュニケーション不足の課題はつきものです。オフィス勤務であれば、仕事仲間の状況を見て声をかけるなどコミュニケーションが取りやすいでしょう。しかし、リモートワークでは相手の状況が見えないので声がかけられません。意見や回答をもらうのに時間がかかるなど、業務が滞ってしまうケースもあります。

リモートワークの課題を解決する5つの方法

リモートワーク導入後、企業側にも従業員側にも何かしらの課題は出てくるでしょう。
しかし、従業員のワークライフバランスを保ちながら労働生産性を上げるためには、こうした課題は積極的に解決しなければなりません。ここからは、リモートワークの課題を解決するにはどのような方法があるのか解説します。

①情報セキュリティ対策の強化

リモートワークを導入する際は、情報セキュリティ対策の強化は必須です。パソコン自体のセキュリティ強化はもちろんのこと、ハードディスクの暗号化なども必須でしょう
モバイルワークは公共施設でパソコンやタブレットを使用するため、覗き見防止などの対策を講じなければなりません。従業員に向けてのセキュリティに関する研修も必須です。

②勤怠管理ツールの導入

リモートワークでは、従業員の勤怠管理がうまくできず、長時間労働が発生してしまうケースがあります。長時間労働は勤怠管理ツールを活用すれば防止可能でしょう。長時間残業・労働法違反の抑制に役立つほか、サービス残業や休日労働の防止にもつながります。

③コミュニケーションツールの導入

リモートワークの導入の大きな課題として挙げられるのはコミュニケーション不足です。コミュニケーション不足を解消するには、ビジネスチャットアプリやビデオ通話、バーチャルオフィスなどのツールの利用は業務を円滑に進めるだけでなく、仕事仲間とのつながりができるので心理面のサポートとしても役立ちます。

④マニュアル整備

リモートワークでは、コミュニケーションツールを利用していても質問や確認の回答に時間がかかってしまうケースがあります。そのような理由による業務の停滞を防ぐには、円滑に業務を進めるためのマニュアル整備が大切です
業務フローの詳細や、よくある質問と回答をまとめなど、従業員が自分で解決法を見つけられる状況にしておくと業務の効率化も向上します。

⑤リモートワークにかかる費用を補助する

リモートワークを導入すると、在宅勤務の場合は環境を整える費用がかかります。
家にいる時間が長いので、その分の光熱費も発生します。これらの費用を従業員に負担させると、会社に対する不満の声があがるかもしれません。環境整備にかかるコストは、リモートワーク手当として支給するなど、社内制度を整えて従業員の負担をサポートすることも検討してみましょう

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まとめ

リモートワークには多くのメリットがあるものの、課題がつきものです。
しかし、これだけIT技術が進歩しているのですから、課題別に社内で丁寧に検討していけばそれほど時間をかけず解決できることもありますし、便利なICTツールの導入も課題解決の一助となるでしょう。工夫次第でリモートワークはより快適な働き方になり、業務の効率もアップします。

(参考)
令和4年度テレワーク人口実態調査

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Remotework labo編集部
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