テレワークができる職種とできない職種はどれ?【職種別導入率グラフあり】

テレワークができる職種とできない職種はどれ?【職種別導入率グラフあり】

テレワークが日本でどのくらい普及しているか、知っていますか?銀行大手のみずほ銀行の「みずほ研究所」の調べによると、下記の結果になっています。

業種、職種別テレワーカーの割合
(出典:みずほ総合研究所「テレワークの経済効果」)

上記の表は職種別のテレワークの実施率になります。特にテレワークが実施されている職種はIT関連の職種が多いです。
逆に、テレワークが実施されていない職種は医療・福祉や接客業などが多くなっています。働き方改革や、新型コロナウイルスの影響によってテレワークは急速に普及しました。
その一方、上記の図のようにテレワークを実施できる職種と実施できない職種が存在するのが現実です。
そこで本記事では、テレワークができる職種、できない職種の解説。そして、テレワークを導入できない職種をどのように改善できるのかを説明していきます。

テレワークができる職種が「当たり前」という時代になってきている


昨今、テレワークは当たり前という時代になりつつあります。なぜここまで普及したのかというと、理由があります。

・ICT(情報通信技術)の発達
・新型コロナウイルスの流行

特に、2020年から世界中に流行した新型コロナウイルスに関しては、政府手動で各企業にテレワーク推進を進めました。
また、昨今の若者に関しては、「テレワークができる仕事」を求める傾向があります。なぜなら、昨今の日本の若者にとって、「日本の企業」は下記のようなイメージがあるからです。

・長時間労働の問題
・人材不足による、生産性の低下
・長時間通勤

若い人にとっては「社会に出る=地獄」とまで捉えられていることもあるようです。
そんな状況の中、新型コロナウイルスの流行によって世間では、テレワークは当たり前のことになってきました。「仕事をするのであれば職場には行きたくない。人間関係も面倒くさく、通勤は嫌でしょうがない」ということで、テレワークを希望する人が増えています。

日本のテレワーク普及は他の国に比べれると遅れている

日本では前述したように、2019年度から始まった「働き方改革」でテレワークが普及し始めましたが、欧米諸国ではもっと前に普及が始まっています
以下は各国のテレワークが普及が始まった年の比較です。


(出典:平成24年度国土交通省セミナー世界のテレワーク実情

上記の表を見て分かるように、ドイツでは1998年から政府主体でテレワーク主体の政策は始まっており、アメリカも州によっては違いますが、2004年という早い段階でテレワークを取り入れています。
日本では、1990年代後半から大手生命保険会社「第一生命」が長時間通勤の社員のため、 ワーキングスペースを作ることをしていましたが、国としてのテレワークへの政策はありませんでした。

新型コロナウイルスの流行、問題になっている超過労働時間の影響により、政府もようやくテレワーク普及への政策を押し進めるようになりました。
しかし現実問題、政府の政策とは裏腹に、テレワークへ対応できる職種とそうでない職種が存在します。

テレワークが可能な職種


テレワークができる職種は主に、IT系の職種になります。つまり以下のような、PCさえあれば仕事が完結する職種です。

・エンジニア
・デザイナー
・ライター
・営業
・総務・経理

エンジニア

エンジニアはテレワークできる職種のひとつです。特にエンジニアの場合、企業に属していていても、「在宅勤務」という選択肢もあるので、入社当初から在宅勤務も可能です。
エンジニアはPCとITツールさえあれば、テレワークでも十分仕事が可能になります。その分、夜遅くまで仕事をしなくてはいけない場合もありますが、「ワークライフバランスを自分でコントロールしたい」ということで、テレワークが可能なエンジニアになる人も多いです。

デザイナー

デザイナーもPCさえあれば仕事が可能な職種です。以前はデザイナーは紙とペンさえあれば、というイメージでしたが、今ではタブレットなどのIC端末を使用することが多くなりました。
特に、webデザイナーに関しては、HPのデザインや LP(ランディングページ)を作成する際はPCとタブレット、ITツールさえあれば作成可能です。

ライター

ライター業もPCさえあれば可能な業種です。

・エンジニア
・デザイナー
・ライター

営業

営業の仕事はテレワークではないのでは?と思う方もいると思いますが、実はテレワークで十分対応できる職種です。
ただし、対応するためには必要なものはあります。

・セキュリティ対応のPC
・チャットツール
・テレビ会議用のITツール
・電話

これらを揃えることができれば、十分に営業はテレワークで事足りるようになります。

総務・経理

総務・経理も実はテレワーク対応な職種になります。もちろん、総務の場合は会社全体のことなので出勤することもありますが、ほとんどの仕事はテレワークで対応可能です。

特に、経理の仕事はPCと会計ソフトやITツールがあれば十分対応可能です。ただし、月末月初の場合は、請求書関係の仕事が発生し、出勤せざるを得ないこともあります。
なぜなら、各部署の請求書を担当する場合に、テレワークができない部署の可能性もあるからです。

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テレワークが可能な職種の特徴や条件


テレワークが可能な職種は主にPCとITツールで仕事ができる、と思いますが実は他にも特徴は存在します。

・1人で仕事ができる
・ITツールで仕事が可能
・セキュリティが強固

1人で仕事ができる

1人で仕事ができることはテレワークでは重要なことです。なぜなら、テレワークの最大の条件として、「1人でも完結できる仕事」があるからです。
たとえば、上記で説明したデザイナーやライターの仕事は完全に1人の作業になります。もちろん、チーム制の場合はチームで行う必要がありますが、テレビ会議などで打ち合わせをして決めていけば十分対応可能です。

ITツールで仕事が可能

前述したように、ITツールを導入して仕事が可能となれば、テレワークに向いている職種と言えます
上記でいうと営業職、総務、経理職になります。これらの職種はPCとITツールがあれば、自宅でもテレワーク可能です。
ITツール今後も進化するので、ICT(情報通信技術)の発達が今後のテレワークの促進につながっていくでしょう。

セキュリティが強固

テレワークの条件として、セキュリティが強固ということも必須です。例えば、社外に社用のPCを持ち出す際に、セキュリティが何もなければ、社外秘の情報が漏れる可能性もあります。
ITツールについては、セキュリティは必須です。特にPCは在宅でもインターネットを通じてハッキングされる可能性もあります。そのため、テレワークを始める際には必ずセキュリティのチェックをしておきましょう。

テレワークが難しい職種


では、逆にテレワークが不可能な職種とは一体どんなものなのでしょうか。最初で解説した通り、人の手が必要な仕事はテレワークが難しい職種と言えます。

・生産業・製造業
・接客業
・物流業
・医療業・福祉業

生産業・製造業

生産業・製造業は基本的にテレワークが不可能な職種となっています。なぜなら、生産・製造は名前の通り「物を作ること」なので、人の手が必要になるからです。
人ではなく、生産ラインや機械に任せることも可能ですが、それを動かすのも人です。そして万が一、故障した場合もそれを直すのも人ですよね。
したがって、生産業・製造業は現在ではテレワークが不可能な業種になっています。

接客業

接客業もテレワークが難しい職種のひとつに分類されます。接客業というと下記の通りです。

・アパレル業
・飲食業
・コンビニ・スーパー
・ガソリンスタンド

他にもありますが、これらはまだ、人の手が必要な職種になります。AIやICTの技術によって、人員の削減は可能になりますが、まだまだ時間はかかるでしょう。

物流業

物流業は現在、人手が足りない職種のひとつです。

・倉庫を管理する人
・フォークリフトを動かす人
・商品を検品する人
・商品を積み込む・配送をするドライバー

ICTの進化により、バーコードの読み込みだけで商品の検品ができるシステムなどが開発されました。しかし、まだまだ人の手が必要な職種で、テレワークが難しい職種です。
特に、ドライバーに関しては車の自動運転が実現化されても、商品を積み込む作業が発生します。積み込む作業は現状、人の手を借りないと不可能です。接客業と同じく、人員の削減は今後行われていきますが、まだテレワークは難しい職種でしょう。

医療業・福祉業

今、最も話題になっている医療業・福祉業。
医療業・福祉業は職種の中でも1番、テレワークが不可能な職種ではないでしょうか。なぜなら、どちらの職種も人の健康に関わることなので、人の目や手で確認しないとわかりません。
特に医療従事者は目や手で患者の容態を判断し、福祉に従ずる人も目や手を使って、歩けない人や身体に不自由な人を支えていきます。
テレワークに最も遠い職種、それは医療業と福祉業と言っても過言ではありません。

テレワークが不可能な職種は「人の判断・目や手が必要」な職種


テレワークが不可能な職種は特徴として下記の通りです。

・人の判断が必要
・人の手が必要
・人の目が必要

つまり、人の判断や手と目が必要な職種はテレワークには向いていないということになります。前述したように、医療従事者は現在、1番忙しい職種と言っても良いでしょう。
医療従事者がテレワークとなると現場の混乱が予想されます。したがって完全なテレワークは難しいですが、オンライン診療などの登場により、少しずつ変化の兆しが見えています。

テレワークが不可能な職種に対する対策


テレワークができない職種の負担を少しでも軽減するために必要な対策は以下の3つと言えます。

・ICTの更なる導入を推進
・AIの導入・推進
・自動化の仕組みの推進

ICTのさらなる導入を推進

ICTのさらなる導入・推進はテレワークができない職種にとって、業務の負担を減らすことのできる1つの方法です。
たとえば、物流業で言えば商品の伝票の出力は業務の一環です。当然、お客様から指定された伝票もあり、担当者は指定されたプリンターやエクセルなどを駆使して、手作業で出力をしなくてはいけません。
これらにICTを導入することで、自動で発行されるシステムを作ることも可能ではないでしょうか。ICTを利用することで、業務の一部をシステムで代替することが可能です。

AIの導入・推進

ICTと同様に、AIの導入、推進がテレワークができない業種の負担を減らす上で期待されています。また、非常事態などで誰も会社に出勤できない場合は、AIが処理してくれることも期待できます。
たとえば、次のような業務です。

  • 医療従事者の場合、医者が自宅でリモート診察。AIのロボットが治療を行う
  • 接客業の場合、AIが担当。商品管理も全て記録できる
  • 物流業の場合、AIがフォークリフトを操作。在庫管理や商品の出庫入庫も可能

しかし、これらはまだまだ先のことです。接客業ではAIを使ってお客様の集客率を計算したり、物流業の場合はAIがフォークリフトを動かすことができますが、まだ完全な導入には至っていません。
今後の業務の革新にぜひ注目したいところです。

自動化の仕組みの推進

テレワークができない職種にとって、重要なのは「いかに業務の負担を減らせるか」です。したがって、いかに業務を人の手に頼らず自動化できるかが非常に大切になってきます。
たとえば、以下のことが自動化につながります

  • エクセルのマクロを駆使して、業務の自動化
  • RPA「Robotic Process Automation」を駆使した、業務の自動化など
    ※RPAとはパソコンで行う事務作業を自動化できる「ソフトウエアロボット」のことを言います。

特にRPAは物流業界などで導入され、事務作業のほとんどがRPA化できるレベルになっている事業所も存在するほどです。
自動化の仕組みを積極的に構築する姿勢が大切と言えるでしょう。

テレワークができない職種は業務負担を減らす方法を考えよう


テレワークは今や働き方の1つとなりました。しかし、テレワークができない職種も存在するのが現実です。
しかし、そのような仕事も大切で無くてはならない職種です。ぜひとも、一人ひとりの負担を減らす方法を考えていきましょう。

・テレワークができる職種はPC、ITツールのみで仕事ができる職種
・テレワークができない職種は人の目や手、判断が必要な業種
・テレワークができない職種でも一人ひとりの負担を減らすことは可能

今後はさらにICTやAIが進化していき、働き方も変わっていきます。
人生100年時代と言われるこの時代。技術革新と共に変わる時代の流れを観察しながら、職業を選択していけると良いですね。

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