テレワーク中はサボりがち?従業員がサボる原因と適切なテレワーク環境を考える
テレワークは通勤にかかる時間をカットできる、ワークライフバランスを保ちやすいなど、さまざまなメリットがある働き方です。しかし、基本的に従業員が個別に働くことになるテレワークではどうしてもサボる人が増える傾向がある点は大きな課題です。
そこで、今回はテレワークで従業員がサボりやすくなる理由や、適切なテレワーク環境について解説します。
テレワーク中の従業員はサボることが多い?
テレワーク中の従業員は、一般的にサボりやすいといわれています。
では、テレワークにおける従業員の実際のサボり事情を見ていきましょう。
テレワークはサボりやすい環境?
結論からいえば、テレワークは従業員からするとサボりやすい環境だと言えるでしょう。
自分の好きな環境で仕事ができ、それを監視する直接的な目もないため、気が緩んでサボってしまうケースは多いです。普段は真面目に働いている従業員も、テレワークになるとサボりがちになるというケースも珍しくありません。
株式会社LASSICが運営するテレリモ総研がテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1066名を対象に実施した「テレワーク時におけるサボリ」の調査結果によると、「サボりやすい+どちらかというとサボりやすい」と回答したのは、男性79.7%・女性84.4%となっており、約8割の従業員がテレワークはサボりやすいと考えていることが分かります。
同調査によると、サボり時に最も多い行動が「SNS・ネットサーフィン」となっています。仮にパソコンのカメラを使って監視していても、スマートフォンを使ってネットを閲覧されると、簡単にはサボりを見破れない可能性があるでしょう。
(参考:テレワーク時におけるサボリ|テレリモ総研)
テレワークはサボりありきの働き方?
テレワークが普及して数年が経過している現在、多くの企業がその働き方の実態を理解し始めています。テレワークという会社から離れた場所で仕事をする労働形態では、どうしても仕事だけに集中してもらうのは難しい状況のようです。
そのため、企業によってはテレワークを「サボりありきの働き方」と位置付け、ある程度の気の緩みを許容するケースも増えています。テレワークでの評価を完全成果主義にするなど、サボっていてもきちんと結果を出していれば問題視しないという職場もあります。
企業の考え方次第で、テレワーク中のサボりがどのように扱われるか変わる時代になってきていると言えるでしょう
サボってしまう従業員の気持ちに寄り添うことも重要
テレワークが珍しくなくなった現代では、ただ従業員のサボりを監視し、サボらせない対策を取るだけでは不十分となっています。「なぜサボってしまうのか」「サボることでどんな心理になるのか」といった点を考慮し、従業員の気持ちに寄り添うことも求められています。
テレワーク中のサボりを防止するためのシステムも発展していますが、すべての従業員を監視して仕事だけに集中させるのは困難です。そもそも、テレワークではない通常の業務中でも、サボりを完全になくすことは不可能でしょう。
従業員の行動をがんじがらめにして制限すると、せっかくのテレワークのメリットがなくなります。そのためテレワークを実施する企業は、ある程度のサボりを許容しつつ、従業員の心を理解する段階にきていると考えられます。
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テレワークで従業員がサボる理由とは?
テレワークで従業員がサボってしまう理由を把握することは、基本的なサボりの心理を知ることにつながります。以下では、なぜテレワークでサボる人が増えるのか、その理由を解説します。
誰にも見られていない気持ちになる
テレワークでは会社の関係者がそばにいないため、誰にも見られていない気持ちになりやすいです。自宅にいると家族の目がありますが、それは仕事の進捗を監視するものとは異なります。
単純に、安全にサボれる環境が整っていることから、テレワーク中は自然と気を緩めてしまう人が多くなると考えられます。
「ほかの人もサボっているのでは?」と考えてしまう
先の調査結果のように、サボってしまいやすいと回答する人が圧倒的に多いことが分かりますから、「ほかの人もサボっている=自分もサボっていい」と考えがちになります。自分だけがズルをしているわけではないという認識があると、堂々とサボれてしまう人が増えるでしょう。
「“サボり仲間”が全国にいるかもしれない」という認識が、テレワーク中のサボりを助長させている可能性があるのです。
サボっても問題ない仕事量しかない
テレワークを始めたばかりの職場などは、上手に仕事を割り振れないケースも多いです。サボっても問題ない程度の仕事量しかない場合、早々に業務を終わらせて、残りの時間をサボりに使うケースもあります。テレワークでは実際の働きぶりを把握できないため、どの程度の仕事をわたすべきか判断が難しいです。
しかし、仕事が増えすぎると従業員のモチベーションが下がり、それもまたサボりの原因になり得ます。少しずつ仕事量を調整していくことが、テレワークでのサボりを防ぐポイントになるでしょう。
テレワーク中のコミュニケーションが少ない
テレワーク中のコミュニケーションが少ないと、自分だけで仕事をしている気持ちになります。結果的に「自分の仕事さえ終わっていればいい」という考えにつながり、業務終了後や合間にサボる人が増える可能性があります。実際にテレワーク中は、それほど密に連絡を取らなくても、定期連絡だけで済むケースが多いです。しかし、そういったコミュニケーションを軽視する風潮は、テレワーク中のサボりを増やすことになるでしょう。
サボり続けても指摘されない
テレワーク中にサボりを感知できても、後からそのことを指摘したり、定期的な面談時にまとめて話したりするケースが多いです。テレワークを管理している担当者が多忙だと、その場で注意することが難しくなりますし、個別に注意されたことをハラスメントだと受け取られると、また別の問題につながる可能性もあります。
そういった問題に発展することを嫌がって、多少のサボりを黙認してしまうことも珍しくありません。サボっていても指摘されづらい環境も、テレワークでサボりが減らない原因だと言えるでしょう。
テレワークで従業員がサボることによるデメリット
テレワークで従業員がサボることには当然多くのデメリットがあります。企業側で問題となるデメリットだけでなく、従業員のメンタルなどに悪影響をおよぼすパターンもありますから、企業としては早めに対策を考えたいところです。
以下では、テレワークで従業員がサボることによるデメリットについて解説します。
事業の生産性が低下する
テレワークで従業員がサボるのが当たり前になると、事業の生産性は低下の一途をたどります。一人がサボることで発生する問題は少なくても、それが多くの従業員になると、事業全体に悪影響を及ぼすレベルまで膨れ上がります。状況の悪化が続けば、将来的には企業の存続にも大きな影を落としてしまうでしょう。
従業員の心に罪悪感が芽生える
テレワークでのサボりは、気づかれずに済む可能性が高いです。しかし、サボったことでわずかでも従業員の心に罪悪感が芽生える可能性があるため、精神的なストレスになるケースも想定されます。
特に新人の従業員や、普段は真面目に働いている従業員はちょっとした出来心によるサボりで、自ら強い精神的負担をかけてしまうケースも考えられるでしょう。
プライベートの充実度も下がる可能性がある
テレワークでのサボりは、プライベートの充実度を下げる可能性もあります。テレワークでサボってプライベートの行動をすると、あとから同じことをしても、満足感を得られない可能性があります。
人事評価が下がることに不安を覚える
仮にテレワーク中にサボっていることが判明すると、人事評価が下がります。サボってからそのことに気づき、不安を覚えることに悩むケースがあるのも、デメリットの大きな一つです。自業自得ではありますが、テレワークという環境はサボりを誘発しやすいことは確かです。
仕事へのモチベーションが低下する
テレワーク中にサボるのが当然になると、仕事へのモチベーションが下がります。さらに、サボっても問題なく仕事が回っていると職場における自身の必要性に疑問が生まれ、やる気が損なわれる可能性もあるでしょう。
従業員がサボることがない理想のテレワーク環境とは?
従来のテレワーク環境は、どうしても従業員がサボりやすい状況が続いていました。
企業は問題解決のために、従業員を積極的に監視するなど、強い態度に出るケースもありましたが、従業員を強制的に動かす形では完全にサボりをなくすことは難しいです。
そこで重要となるのが、従業員が自然とサボらなくなる環境の整備です。
仕事に関係なくコミュニケーションが取れる環境
仕事の状況に関係なく、気軽に従業員同士でコミュニケーションが取れる環境も、サボりをなくすきっかけになります。特定のグループでまとまったチャットを整備し、日常会話ができるように備えれば、テレワーク中も自然と会話が生まれます。
誰かとつながっているという感覚は、真面目に働く気持ちを生み出し、サボるという思考を追い出す結果につながるでしょう。特別なことを話さなくても問題ない気軽なコミュニケーションの舞台を設置し、テレワーク中も会話ができる状態を維持するのもコツです。
悩みや不安を相談しやすい環境
テレワークしていると、さまざまな悩みや不安を抱える従業員が出てきます。しかし、手軽なコミュニケーションが困難な環境だと、吐き出す場所がなくなり、強いストレスに変わる可能性があるでしょう。ストレスは仕事へのモチベーションを低下させ、サボる気持ちを増幅させるきっかけになります。
カウンセリングや上司との話し合いが簡単にできる環境を作り、悩みや不安を溜め込まないようにフォローするのもポイントです。
残業させない勤怠管理システムを導入する
テレワークで残業すると、「少しくらいサボってもいいだろう」という気持ちになり、業務時間に仕事を休む口実ができてしまいます。
そういった勝手な動きをなくすためにも、残業や休日を設定して過度な労働を防止する機能が備わった勤怠管理システムを導入し、業務時間内でしか働けないようにするのもポイントです。テレワーク中に課題となり得る要素を適切に処理できるため、理想的な環境の実現に役立つでしょう。
業務内容を可視化できる勤怠管理システムを導入する
テレワークでは周囲の目がない分、どうしても緊張感がなくなりがちになりますから、業務内容を可視化できる勤怠管理システムを導入するのも有効です。
システムによって業務内容が把握できるようになれば適度な緊張感が生まれ、サボりにくくなるでしょう。また、成果物の提出では評価しづらい業務に携わる従業員の仕事をしっかり評価できる点もメリットです。
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まとめ
テレワーク中にサボる人が多くなれば、生産性の低下や業務効率の妨げにつながってしまいます。しかし、ただシステムを使ってサボりを撲滅するのではなく、「なぜサボってしまうのか」という従業員の気持ちに寄り添い、根本的な解決を目指すことが重要です。
この機会にテレワークにおけるサボりの心理を学び、仕事環境の改善を進めてみてはいかがでしょうか。
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