テレワーク導入に悩んでいる企業の問題を解決できるたった3つの方法とは?

テレワーク導入に悩んでいる企業の問題を解決できるたった3つの方法とは?

働き方改革や新型コロナウイルスの流行をきっかけに、テレワークの導入に悩んでいる企業の労務担当者の方が多いのではないでしょうか。
この他にも、優秀な人材の確保、育児や介護による離職者の続出でテレワークの推進を問われている企業は多いものです。ところが、複数の問題点がネックとなって導入に踏み切れない企業様が多く存在します。
そこで今回は、そんなテレワーク導入に悩んでいる企業様に向けて、問題を解決できる方法と運用していく上での重要なポイントを解説して行きます。
本記事を読むことで、テレワークを導入時の問題点を解決でき、テレワーク導入のキッカケとできるでしょう。

テレワークの問題点


テレワークを導入する上で問題点は主に5つあります。これらを解消することで、テレワークを導入することが可能です。

・正確な勤怠時間の把握が難しい
・コミュニケーションが取りづらい
・情報漏洩の恐れがある
・社員のモチベーション低下
・社員への評価が難しくなる

正確な勤怠時間の把握が難しい

1つ目に問題となるのが、社員の正確な勤怠時間の把握が難しくなることです。
何故なら、社員は会社ではなく、自宅あるいは別の場所で仕事をするのでひとりひとりが何をしているのか把握できません。
例えば、会社に出社すれば、勤務時間は決まっているためその時間までは会社にいて仕事をするか、外回りや営業の仕事をすることになっています。
しかし、テレワークとなると、自宅あるいは別の場所にいるため他人の目がつきません。したがって、社員ひとりひとりの正確な勤怠時間の把握が難しくなることが問題です。

コミュニケーションが取りにくい

周りの上司や、同僚とコミュニケーションが取りにくくなることも、テレワークの問題点です。テレワークが導入されると、前述したように自分1人で仕事をすることになります。
そのため、普段同僚と取っているコミュニケーションや上司への報告が取りづらくなるのが問題点です。
特に、コミュニケーションが取りにくくなり、問題となるのが「お客様」です。お客様とは電話で連絡は取ることはできますが、やはり1番は直接会って話をすることが大切になります。
お客様と直接会って、商談をすることで、また別の商談が生まれたり「この人はわざわざウチに来てくれて、気にかけてくれている」と認識されるからです。
したがって、社内だけでなく、お客様とコミュニケーションが取りにくくなるのがテレワークの問題点の1つになります。

情報漏洩の恐れがある


テレワークをする上で、最も会社が恐れていることが会社の情報が外部に漏れることです。例えば、下記のような例になります。

・自宅のインターネットを経由しての情報漏洩
・カフェや別の場所での情報漏洩
・ウイルスなどによっての情報漏洩

会社のインターネットはセキュリティ管理がされているため、情報漏洩の恐れがありませんが、自宅のインターネットはセキュリティ対策がされていない場合があります。
そのため、自宅から会社の情報が漏れてしまう可能性も捨てきれません。
また、カフェや別の場所で作業すると、社外の人の目につきます。席を外した際に、パソコンにロックをかけず、そのままにしていたら盗まれる可能性もあります。
そして、世の中には様々なコンピューターウイルスが存在するので、ウイルスによって会社の情報が外部に漏れる場合も捨てきれません。
したがって、テレワークを推進する場合は、安全な情報管理をすることが大切になります。

社員のモチベーション低下

テレワークのイメージは「自宅や場所に縛られずに働けるから自由」というイメージではないでしょうか。しかし、一部の人からはモチベーションが上がらないという意見もあります。
これは元マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱した、組織における重要なサイクル、「グッドサイクル」につながるものがあります。以下は「グッドサイクル」の文です。

関係の質-互いに尊重し、共に考える
思考の質-気づき、興味がある
行動の質-自分で考え、自発的に行動する
結果の質-成果が得られる
再び1へ-信頼関係がさらに高まる

チーム内の関係の質が高まると、メンバーは自分から課題に気づくようになり、仕事を面白いと感じるようになります。すると、自発的に行動するようになり、その結果、成果が上がり、信頼関係のさらなる向上へとつながるという良い循環が機能し続けるというものです。
(出典:マイベストプロ「リモートワークでモチベーションが上がらないのはなぜ?営業スキルも向上させる雑談の効果とは」

ダニエル・キム教授が提唱した「グッドサイクル」は簡単に言えば、チームワークによって、仕事の生産性が上がるということです。
一方、テレワークになると、1人で仕事をして、周りには誰もいないので上記の「グッドサイクル」が機能しなくなります。
したがって、1人で仕事をすると自発性も周りと信頼関係も築けなくなり、仕事へのモチベーションの低下につながっていきます。

社員への評価が難しくなる

前述したように、テレワークになると当然、周りの同僚や上司がいません。上司からすると、部下が日々、きちんと仕事をしているかわかりません。
そのため、上司は部下に対して、評価が難しくなります。もちろん、結果を残せば評価はできますが、他にも評価基準はあります。

・チームワーク
・リーダーシップ
・日頃の行い

テレワークだと部下の行動がわからないので、非常に評価が困ります。
したがって、今までの評価基準を再考するなど、時代に合わせて部下への評価も変えていく必要もあるのではないでしょうか。

そもそもテレワークが導入できない業態も存在する


テレワークを導入したいけど、テレワークを導入できない業種も様々あります。

・小売業
・接客業
・飲食業
・運送業
・倉庫業

上記以外でもテレワークを導入できない業種はまだまだ存在します。これらの業種に共通することは「人の手がないと仕事にならない」ことです。例えば、運送業もドライバーがいて、物を人に届ける仕事なので、ドライバーがいないと仕事が始まりません。
したがって、テレワークを導入できない業種に対しては、導入できなくても社員の負担を簡素化できるシステムを導入することも考える必要があるのではないでしょうか。

テレワークにおける問題点の解決方法

ではテレワークの問題点を解決するにはどのような方法を取ればいいのでしょうか。

・ITツールの導入
・テレワーク・出社する日を決める
・ワーキングスペースの導入

ITツールの導入


テレワークで必須になることはITツールの導入です。ITツールがなければ、テレワークにおいて、仕事にならないと言っても過言ではありません。電話での対応だけでは、無理があります。したがって、ITツールの導入は必須です。

・チャットツール
・テレビ会議用ツール
・ウイルスソフト(会社指定のパソコンであれば必要なし)
・勤怠管理システム

上記はテレワーク時に最低限、必須なツールなので、必ず導入しましょう。特に、ウイルスソフトについて、会社指定のソフトを必ず使いましょう。
会社指定のパソコンであれば、ソフトが入っており、情報漏洩の心配はありません。ただ、外出時などは紛失にくれぐれも気を付けましょう。
勤怠管理システムも重要です。社員がいつパソコンにログインして、ログアウトしたか分かる上、社員ひとりひとりの仕事に対しての生産性も分かります。
また、上記ITツールを導入する際には社員全員に対して、事前説明会や、IT担当者からの説明会を設ける機会を設けましょう。

テレワーク・出社する日を決める

前述したようにテレワークを導入するにあたって、問題となるのは社員のモチベーション低下です。これは社員同士のコミュニケーション不足が関係します。例え、チャットやオンラインで話せたとしても、直接会えた方が話が弾みますし、一緒に仕事をすることで生産性も上がります。
そのため、テレワークをする日、出社する日をスケジューリングすることも大切です。昨今、新型コロナウイルスの流行で、なかなか会社に出社することが難しくなってきました。
例えば、下記のようにスケジューリング、ルールを決めれば会社に出社することも可能です。

通勤ラッシュは避けて出社(朝早くは避ける、帰りも同じく)
人数はしぼり、日にちで分ける
電車を避ける場合は、社用車を使用

上記以外でもまだまだルールを決める必要がありますが、社員と相談しつつ、決めていくのもいいのではないでしょうか。もちろん、社員がテレワークを推進する場合はそのままでも結構です。

ワーキングスペースの導入

テレワークではどうしても生産性が落ちてしまう、そんな悩みを持つ企業様も少なくありません。そこで、社員用として、ワーキングスペースを導入することも検討してみてはいかがでしょうか。
すでに、生命保険会社で大手の明治安田生命は、1990年代に社員の働き方改革の一環として、通勤時間が長い社員のためにワーキングスペースシステムを導入しました。
この導入により、社員によっては通勤時間が半分に減り、仕事の生産性も著しく上がったとされています。
新型コロナウイルス流行により、徹底したテレワークが義務付けられていますが、社員のモチベーションや生産性が落ちてしまったら会社としても意味がありません。ワーキングスペース導入も業務改善の一環です。
ワーキングスペースは地域によって、導入が難しい場合もありますが、場所があれば検討していくのも良いのではないでしょうか。

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テレワークで重要なのは「一時的」ではなく、「継続」すること


新型コロナウイルスが収束したらテレワークを即時に止めて、通常の出勤体制に戻していく。このように考える企業様も多いのではないでしょうか。
しかし、実際はこのままテレワークの導入を望む人が多いです。インテージ社の調査によると、約半数近くの社員がこのままテレワークを望んでいることが分かりました。

(出典:3,000人に聞いた今、これからの働き方

このように新型コロナウイルスの収束後も、継続してテレワークを推進している社員は半数は存在することが分かります。
このような声も企業は忘れずに、テレワークを一時的な方法ではなく、今後の社員の働き方改革の一環として継続的に行うことを視野に入れましょう。
社員の働き方に選択肢が増えれば、従業員満足度向上にもつながってきます。

テレワークには問題点はあるが、解決できる。事前準備を怠らないことが大切

本記事ではテレワークの問題点、そして解決策を解説してきました。

・正確な勤怠時間の把握、社員の評価が難しい→勤怠ツールの導入
・コミュニケーションが取りづらい→チャットツールや勤務体制、ワーキングペースの導入
・情報漏洩の恐れがある→会社指定のパソコンの使用の義務づけ、ウイルスソフトの導入
・テレワークを導入するにあたって、一時的ではなく、今後の働き方の一環とする

ITツールの導入については、細心の注意が必要です。使い方が分からなければ、それこそ経費の無駄になります。
したがって、IT部門の人やITツールに強い人から説明を受けたり、マニュアルを作成することが重要になります。
そして、テレワークは新型コロナウイルス流行による一時的な働き方と思わないようにしましょう。欧米諸国ではリモートワークは当たり前のようになってきていますが、日本はまだ出遅れています。
この状況を「チャンス」と捉え、社員のためにもテレワークの必要性を考え、導入を検討してみましょう。

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