テレワークは自宅以外禁止?企業が働く場所を限定する理由やテレワークが許可されやすい場所を解説

テレワークは自宅以外禁止?企業が働く場所を限定する理由やテレワークが許可されやすい場所を解説

居心地の良いカフェやコワーキングスペースなど、趣味や仕事に使える魅力的な場所が増えた昨今、「テレワークを自宅以外でやってみたい」と考えるビジネスパーソンが増えても不思議ではありません。
しかし、自宅以外の場所でテレワークできるのか、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、テレワークは在宅勤務を前提とする企業があります。
そこで今回は、テレワークは自宅以外禁止にする企業が多い理由や自宅以外でもテレワークが許可されやすい場所、さらには自宅以外の場所でテレワークしたことが企業側に露呈した場合に想定されうる処遇などについても併せて解説します。

自宅以外でのテレワークは禁止?気になるなら就業規則を確認してみよう!

自宅以外でのテレワークが許可されているかどうかは企業の就業規則に明記されていることが多いので、まずはここを確認しましょう。「テレワーク可能な場所の指定」といった表記があることが一般的です。
もし、「テレワークは従業員の自宅に限る」または「在宅勤務とする」という文言がある場合、カフェやコワーキングスペースでの作業は規則違反となる可能性があります。
一方、「事前に上長の許可を得れば、他の場所での作業も可能」といった柔軟なルールを設けている企業もあります。

テレワークは自宅以外禁止にする企業が多い理由とは?

では、ここで改めて、なぜテレワークの場所を自宅以外禁止にする企業が多いのでしょうか。
以下に主な理由をいくつか挙げてみます。

1. セキュリティの確保

セキュリティの確保はテレワークの導入において最も重要なポイントの一つ。
自宅以外の場所では公共のWi-Fiの使用による情報漏洩やハッキング、パソコン等のデバイスからの覗き見・紛失・盗難など、情報漏洩のリスクが高まるため、テレワークは自宅限定する方針は正しいと言えるでしょう。

実際、公共のWi-Fiを使って機密データが漏洩した事件は過去にも報告されています。あるアメリカの企業では社員がカフェのWi-Fiを使って業務を行った際、重要な取引先情報が第三者に盗まれ、大きな損失を被ったケースもありますから、このようなリスクを避けるために、企業は安全な自宅のネットワークでのみテレワークを許可するのです。

2. 労働時間の管理

企業は従業員の労働時間を適切に管理する義務がありますが、自宅外の環境でテレワークを許可すると労働時間の正確な記録・把握が難しくなることも理由の一つとして挙げられます
たとえば、カフェで作業していたとしても、業務以外の時間を混在させてしまう可能性があります。外出にかかる時間を労働時間にカウントしてしまうことも考えられるでしょう。

また、外部の場所では集中できずに生産性が落ちるリスクもあるため、企業はこうした点を懸念し、場所を限定する場合があります。

3. 労災リスクの回避

テレワーク中に事故が発生した場合でも労災保険の対象となるケースがありますが、自宅以外の場所での事故は企業側が労災保険の適用範囲を確認しづらいという問題が発生します
たとえば、カフェで転んで怪我をした場合、それが業務中であったかどうかを証明することが難しいため、企業側は慎重にならざるを得ないのです。

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企業の懸念を解消!自宅以外でテレワークが許可されやすい場所

セキュリティと労務管理面を考慮すると、「テレワークは自宅で」となるのは自然な流れと言えますが、

・工事や突発的な事故・災害等で自宅のインターネット回線がつながらない
・出張
・家族が在宅中のため自宅では集中できない/インターネット回線の接続数が上限を超えている

といった理由で自宅以外でのテレワークを希望することもあるでしょう。
このような場合は次のような場所であれば企業から許可されやすいものと考えられます。

コワーキングスペースやンタルオフィス

コワーキングスペースとは、複数の人が共有して利用する作業空間のことを指します。
フリーランスやリモートワーカー、スタートアップ企業などが集まり、個々のデスクや作業エリアで仕事をすることができます。
多くのコワーキングスペースでは専用のWi-Fiネットワークやセキュリティカメラが設置されており、一定のセキュリティとプライバシーが確保されています。また、契約者のみが利用できるところもあり、不特定多数の人がアクセスできない点でも安心感があります。

企業によっては特定のコワーキングスペースと法人契約し、従業員に対して「会社が法人契約している指定のコワーキングスペースを利用する場合は許可」といった具体的なガイドラインを示す例も増えています

サテライトオフィス

サテライトオフィスとは企業の本社や主要なオフィスから離れた場所に設置された、社員専用の小規模オフィスのことを指します。
通勤時間の短縮や地域の人材活用、災害時の事業継続(BCP)といったメリットがあるためサテライトオフィスを設置する企業は多いですが、もともと通常のオフィスと遜色ない設備が備わっているため、環境とセキュリティの面でも問題はありません。企業からすればカフェや公共施設より安全であり、従業員には積極的に利用してもらいたいはずです。

ビジネスホテルやカンファレンスルーム

ビジネスホテルや専用のカンファレンスルームも比較的許可が得やすい場所です。
これらの場所は、出張中の社員が利用することを前提に設計されているため、セキュリティやプライバシーが担保されていると言ってよいでしょう。企業によっては、ホテルのビジネスルームの利用を推奨しているケースもあります。

自宅以外でのテレワークはバレる?バレた場合に考えられる処遇

自宅にこもってばかりでは、なかなかモチベーションが上がらず、気分転換の機会も少なくなります。「たまには自宅から出て、好きな場所で仕事がしたい」と考える気持ちもわからなくはありませんが、就業規則でテレワークの場所は自宅に限ると明記されている場合はこれを遵守する必要があります。

カフェやホテルなど……自宅以外でテレワークしたらバレる?

万が一、自宅以外でテレワークを行った場合、以下のような方法で発覚(つまりバレる)ことがあります。

・システム監視
会社のVPNに接続している場合や、特定の業務ソフトウェアを使用している場合、自宅以外のIPアドレスでアクセスした場合に企業側に通知されることがあります。

・GPS機能
会社が貸与するデバイスや一部の業務管理アプリ・ソフトウェアにはGPS機能が組み込まれている場合があります。この場合、それらを通じて従業員がどこにいるかが自動的に追跡されるため、自宅以外のから接続した際に発覚することがあります。

・カメラの利用
ビデオ会議ツールを使う際、背景や周囲の音から自宅ではないことが判明する場合もあります。特に、カフェなどの公共の場では周囲の騒音や他の利用者が映り込む可能性があるため、言い訳できなくなるでしょう。

バレた場合はどうなる?

1. 口頭または書面での注意
初めての違反や軽微な違反の場合、通常は口頭または書面での注意にとどまることが多いようです。
たとえば、従業員が意図せず規則に反してカフェで作業をしていた場合や、自宅以外の場所で一度だけテレワークを行ったといった状況です。企業側としては、この段階では従業員にルールを再確認させ、今後同じ過ちを繰り返さないように指導することになります。

懲戒処分の一つである戒告や訓告として注意を受けた場合は同じことを繰り返さないようにしましょう戒告や訓告は懲戒処分のなかで最も軽い処分ですが、処分を受けたこと自体が企業の記録されるうえ、企業によっては社内で公表されることもあります

2. 減給・降格・出勤停止
違反が繰り返された場合や、その違反が業務に重大な影響を与えた場合には、減給、降格、出勤停止の懲戒処分が下ることも考えられます
従業員の生活にかかわる処分であるため、これらの処分には企業側も慎重になりますが、従業員が規則を守る重要性を理解させるためにも、あえて強い対応を取る場合もあるでしょう。

企業がセキュリティリスクや労働時間の不適切な管理などに対して強い懸念を持っており、同じミスが続けば会社と業務全体に悪影響を与えると判断した場合はなおさらです。

3. 解雇
最も重い処分として解雇が挙げられます。解雇に至ることは一般的には稀ですが、就業規則に違反したことにより、企業に重大かつ深刻な損害を与えた場合にはあり得る処分です

自宅以外でテレワークをする際の注意点

従業員は労務を提供することで給与という対価を手にしている以上、重要なのは「各従業員に与えられた役割を果たし、仕事をしっかりしていること」です。しかし、それは就業規則というルールのなかで行うことが前提です。
自宅以外でテレワークをする際には、以下の点に注意しましょう。

事前に許可を得る

もし自宅以外でのテレワークを検討している場合は、必ず事前に上司やIT部門に許可を求めましょう。事前の確認がない場合、トラブルに発展する可能性があります。

セキュリティ対策

公共のWi-Fiを利用する場合は、必ずVPNを使用してデータの暗号化を行いましょう。これにより、第三者が通信内容を盗み見るリスクを大幅に減らすことができます。また、仕事に使用するデバイスには常に最新のセキュリティパッチを適用し、ウイルス対策ソフトを使用することも重要です。

周囲の人に画面を見られないようプライバシーフィルターの使用するのも一つの方法です。特にカフェやコワーキングスペースでは背後から覗き見されるリスクがあります。また、重要な会話をする場合は、周囲の人が聞こえないように注意しましょう。

席を離れる際はできる手元から離さないようにするのが最善ですが、状況的に難しいようであれば、デバイスにロックをかけたうえで、盗難防止ワイヤーなどの物理的な奪取が難しくなるツールを使って盗難を防止してください

また、電車やバス、タクシーなどで移動するときはデバイスの置き忘れに注意しましょう

データ管理とバックアップ

テレワーク中にパソコンが故障したり、盗難に遭ったりした場合に備えて、重要なデータは定期的にバックアップを取ることが大切です。
クラウドストレージ(例:Google DriveやDropbox)や外付けハードディスクを使うことでファイルを安全に保管し、万が一の時でもデータが消失しないようにできます

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まとめ

自宅以外でのテレワークは、セキュリティや労働時間の管理、労災リスクなど、企業側にとっては懸念材料が多い働き方です。
従業員が自宅以外でテレワークを希望する場合、まず企業の就業規則を確認し、必要であれば上司や担当部門に事前に相談することが大切です。ルールを守りながら、効率的かつ安全にテレワークを進めましょう。

 

RemoLabo
Remotework labo編集部
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