2021. 6. 30 働き方

テレワークでの無自覚なサイレントうつが増加!個人・企業ができることを紹介

最近、テレワークでうつなどの精神的な病気を発症する人が増えています。本記事では、テレワークで問題とされる「サイレントうつ」の原因から個人や企業ができる対応策を紹介していきます。

テレワークが導入されるようになり,健康やメンタルヘルスへの注目度が高まっています。それはテレワーク時に心身の不調を訴える人が増えているためです。
今回の記事ではテレワーク中に無自覚で生じるサイレントうつの原因、サイレントうつ対策として個人・企業として行うべきことを解説します。

サイレントうつとは

サイレントうつとは「本人の自覚症状がないままテレワークによるストレスを抱えてしまっている状態」を指します。

サイレントうつになる原因は何?


このサイレントうつの原因として以下の内容が挙げられます。

・テレワーク導入による長時間労働の発生
・他者とのコミュニケーション機会の軽減
・自分の社内での評価や役割が明確ではない
・勤務環境が整備されていない
・オンライン上でのコミュニケーションに適応できていない

テレワークでは周囲に気軽に相談することが困難です。もし企業に出社していれば周りの社員や産業医に相談することが可能です。

しかし、テレワークでは自分で問題を抱え込んでしまうケースが多く見られ、いつの間にかストレスに耐えきれなくなってしまう可能性があります。

企業はオフィス勤務の時よりも社員の健康の管理を徹底することが求められます。

サイレントうつになりやすい人とは

サイレントうつになりやすい人の性格として「循環気質」「執着気質」「メランコリー親和性気質」が挙げられます。

「循環気質」とは気分が向上している躁状態と落ち込んでいる抑うつ状態を繰り返しているタイプ。社交性があり現実社会への適応力が高い反面、感情的になりやすいという一面を持っています。

「執着気質」とは「義務感」「完璧主義」「正直」「几帳面」といった特徴を兼ね備えているタイプ。仕事の質は高い一方で、多くの仕事量をこなすことができない性格です。

「メランコリー親和性気質」とは「常識を大切にし、周囲への配慮を行える」タイプ。他人への評価に左右されやすく、責任を自分で抱えてしまいがちな性格です。

自分がどのようなタイプで、どのようなストレスを抱えやすいかを知っておくだけでも、ストレスを抱え込むことを避けることはできます。

テレワーク中のストレス

一橋大学経済学研究科の特任講師らによる「組織学会」と「HR総研」が共同で実施した調査によると、テレワークを導入したことで「仕事上のストレスが増えた」と答えた企業は60%を上回ったことが報告されました。
テレワークにおける働き方の問題点
テレワークを導入することで社員のストレスの原因として以下の項目が挙げられます。

・自宅勤務で孤独感や不安感が募る
・仕事と生活との切り替えが難しい
・いつでも仕事ができるため労働時間が増加する
・気分転換が難しい

上記の調査では「社員同士の意思疎通が難しくなった」「社員への意思疎通が難しくなった」といったコミュニケーション上の障壁が指摘されています。

そのため、テレワークでのストレスを軽減し、潤滑に業務を遂行するためには定期的にコミュニケーションの機会を設ける必要があります。

サイレントうつを解決するために個人ができること


サイレントうつを解決するためにテレワーク時に個人ができることを紹介します。

定期的に休む習慣を身につける

テレワークは自分で仕事時間や内容を決められるため、業務の管理が非常に重要です。先ほどサイレントうつになりやすい人として「真面目」「正義感が強い」「几帳面」といった特徴を挙げました。

これらの性格に該当する方は仕事内容を詰め込みすぎて、超過労働を行なってしまわないように注意が必要です。業務を効率的に行うだけでなくサイレントうつを防ぐためにも、定期的に休む習慣を身につけることは重要です。

休憩を取る習慣がない方は「テレワーク中の5分・10分の隙間時間は電子機器に触れない」「2時間以上作業を行なっている場合は15分程度休憩をとる」といった自分ルールを作ると良いでしょう。

オンとオフを明確にする

テレワークでは自宅で仕事を行うことができるため、仕事と生活との切り替えが難しいです。おすすめな方法は勤務場所や勤務時間を事前に設定しておくことです。

自宅以外でも勤務できる方はカフェやレンタルオフィスなどを活用すると気分転換にもなり一石二鳥です。在宅勤務をうまく切り替るために作業着を決めておく方法も有効です。自宅にいても出勤時に近い服装をすることで仕事モードを保つことができるでしょう。

体を動かすようにする

テレワークを導入したことで運動量が減った方も多いでしょう。出勤時には通勤の際の移動や取引先への訪問など運動する機会は意外とあります。

出勤時と同じ程度の運動量を保つために、以下のような運動を取り入れてみると良いでしょう。

・ウォーキングや軽いランニングを行う
・自宅で筋トレやストレッチを行う
・立った状態で業務を行う
・オンライン上でフィットネスの指導を受ける

運動は健康管理の一環だけでなく、気分の切り替えとしても効果があります。業務に集中するためにも運動を習慣的に行うことは大切です。

他人と会話するようにする

テレワーク中のストレス解消法として「他人と会話をするように心掛ける」ことが挙げられます。

リクルートによる「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」では「雑談の有無」によってストレスの解消の状況に差が生じることが判明しています。
ストレス解消に及ぼす雑談の影響
具体的には「雑談がない」場合ストレスの未解消率は「77.3%」、一方で「雑談がある」場合その数値は「63.2%」であると報告されています。

社員のストレス軽減のために、週に1度雑談をする時間を設けている企業もあります。このようにテレワーク中であっても定期的にコミュニケーションをとる機会を設けておくことが重要です。

起床・就寝時間を一定にする

テレワークに移行することで自由に時間管理を行うことが可能になりました。また移動時間がなくなったため、その時間を就寝時間に充てているという方もいます。

ここで大切なのは、起床・就寝時間を一定に保つということ。自宅勤務であるため、仕事時間を延長し睡眠時間を削ることは簡単にできてしまいます。

しかし、睡眠時間の短縮は体調や仕事の質に悪影響をもたらします。基本的には睡眠時間を守った規則正しい生活がストレスの解消へと繋がります。

サイレントうつを解決するために企業ができること


最後にテレワークを導入した企業が社員のサイレントうつを防ぐための施策を紹介します。

定期的なミーティングを実施

サイレントうつの防止策として「定期的なミーティングの実施」は効果的でしょう。

文字によるコミュニケーションだけでは相手の感情が読めず、ストレスが溜まってしまいます。そのため、決まった時間帯でオンライン上で集まり、それぞれの進捗報告を行うことをお勧めします。

ミーティングのような相互に発言できる機会を設けるメリットは次の通りです。

・メンバーの現在の業務状況を把握できる
・気軽に相談や業務内容の確認が行える
・定期的に顔を合わせることで協力関係を構築しやすくなる
・チームに対する所属意識が強くなる
・在宅勤務による孤独感、不安を解消できる

会社に入社したばかりの新入社員やまだ企業の文化に馴染めていない中途社員は、このようなミーティングを実施することで新しい環境に慣れることができます。

単なる業務内容の報告だけでなく、プライベートな内容を発信し合うことでより良い仕事環境の構築に繋がります。

メンバーに役割や成果を伝える

企業や管理職の方にとって社員の業務内容を把握しにくい点がテレワークのデメリットです。

その反対に社員も「自分の業務をどこまで進めるべきか」「自分の業務内容が評価されているのか」といった不安を抱えがちです。そのため、企業は社員の役割や期待している成果を明確に伝えることが重要です。

メンバーに企業として期待していることを伝え、会社に必要とされている実感を湧かせることで、テレワーク中の気分の落ち込みや不安感の解消が期待できます。

チャットツールの活用

テレワークには欠かせないコミュニケーションツールがチャットツールです。

チャットツールの特徴は「メールよりも気軽にやりとりができる」「相手が既読しているかどうかを確認できる」といった点にあります。テレワーク時には自分の業務の疑問を誰に相談すれば良いかわからないという問題が起こります。

チャットツールを活用することで個人やグループに向かって投稿することが可能です。その上、他の人のやり取りも履歴として蓄積されるため、個人間のやりとりがチーム全体のノウハウとして共有されます。

チームとしてチャットツールを積極的に活用することで個人が疎外感や孤立感を解消する効果が期待できます。

まとめ

今回の記事ではテレワーク中に無自覚で起こるサイレントうつの原因と対応策を解説しました。

テレワークを導入することで他者とのコミュニケーションが減り、ストレスを抱える方が増えています。テレワークにおけるうつを避けるために個人だけでなく企業として対策を行うことが重要です。

テレワークで良い習慣を身につけることで未然にストレスやうつを解消できる職場環境づくりを目指しましょう。