従業員の副業や兼業|企業側へのメリット・デメリットとは?

2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成したことで、多くの企業の間で「副業解禁」の動きが広まりました。

それまでの日本では、副業なんて絶対禁止という企業が大半だったわけですが、実際のところ、企業が従業員に副業を許可することで、企業にとってはどのような影響があるのでしょうか。

今回は、そんな従業員の副業・兼業による企業へのメリット・デメリットについて解説していきます。

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副業が推進される背景

副業 解禁

副業が推進されるようになった背景としては、高齢化・人口減少による労働力の不足が原因として挙げられます。

1人の労働者が1つの企業でのみ働いていると、他の企業では労働力がどんどん不足していきます。

 

しかし、近年ではテレワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方が普及してきたことや、ICT技術の進歩によって多様な働き方が可能になってきたことで、1人の労働者が2つ以上の企業で働くことが現実的になってきました。

そうなると、労働人口の減少による人手不足に歯止めをかけることにも繋がります。

そういった理由で、国が副業を推進するようになり、企業もそれを受けて副業を解禁するようになった、という背景があるのです。

日本での副業の現状

厚生労働省が2017年に行った調査では、働いている人のうち、副業をしている人は7.2%という低い割合になっています。

副業解禁よりも前の調査ですので、今はもっと高い割合になっていることでしょう。

 

副業をしている理由としては、「収入を増やしたいから」という回答が54.9%で最も高く、次いで「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が37.0%となっています。

やはり、副業の目的としては収入を増やすことが一番大きいようです。

次に多いのが、「自分が活躍できる場を広げたいから」という理由が23.9%です。

収入を増やすだけでなく、もっと活躍したい、スキルアップしたい、という向上心から副業をしている人も多いようですね。

副業解禁で企業が得られるメリットとは?

ここからは、副業解禁によって企業が得られるメリットについてみていきましょう。

優秀な人材の確保と定着

副業解禁のメリットの1つ目は、優秀な人材の確保と定着です。

副業をしている従業員は、先述の通り、自分の活躍の場を広げたいと考えている向上心のある人材であることが多く、また、本業と副業を同時にこなせることからも、能力の高い優秀な人材であることが多いと考えられます。

副業を解禁することで、そういった人材を自社に定着させ、流出を防ぐことに繋がります。

従業員のスキルアップ

副業解禁のメリットの2つ目は、従業員のスキルアップです。

副業を通じて従業員のスキルが向上することは、従業員の主体性が増し、本業の生産性向上にも繋がりますので、企業にとっても非常に大きなメリットと言えます。

副業によって新しい知識や経験を得た従業員は、会社をけん引するリーダー、あるいはマルチプレイヤーとして活躍してくれることでしょう。

採用の際に強みとしてアピールできる

副業解禁のメリットの3つ目は、採用の際に強みとしてアピールできることです。

副業に関心を持っている人は多く、株式会社インテージリサーチの調査によると、副業に関心を持っている人は58%にも上るという結果が出ています。

こうした結果を踏まえると、副業を解禁していることを採用の際にアピールすることは、副業に関心を持っている多くの労働者にとって魅力的に映るはずです。

副業解禁のデメリットは?

ここまで、多くのメリットがあることを紹介してきた副業解禁ですが、残念ながらメリットばかりではありません。

ここからは、副業解禁によって起こりうる企業にとってのデメリットについても解説していきます。

情報漏洩のリスクが高まる

副業解禁のデメリットの1つ目は、情報漏洩のリスクが高まることです。

副業を解禁することで、企業の「秘密保持義務」「競業避止義務」が守られなくなり、機密情報の漏洩に繋がる危険性があります。

副業を解禁する際には、機密情報の取り扱いについて、従業員に情報共有を徹底するようにしましょう。

従業員の生産性が低下するリスクがある

副業解禁のデメリットの2つ目は、従業員の生産性が低下するリスクがあることです。

副業をすることによって、ワークライフバランスが保てなくなり、本来集中しなくてはならない本業がおろそかになって、生産性が低下してしまうという従業員が出てくる可能性があります。

副業はあくまでも本業の生産性を落とさない範囲での許可とし、副業が原因で生産性を落としている従業員がいたら休息の時間を見直させるなどして対策を行うようにしましょう。

まとめ

今回は、副業解禁による企業にとってのメリット・デメリットについて解説してきました。

副業解禁は、デメリットこそありますが、企業にとっても従業員にとっても大きなメリットがあることは確かです。

この記事をご覧になっている経営者や労務管理者の方は、今回の内容を参考にして、副業解禁に取り組んでみてはいかがでしょうか。