新型コロナウイルスの感染拡大により世間に認知されるようになり、新しい働き方として注目を集めるようになったテレワーク。
テレワークは出社せず自宅で仕事を行う為、通勤ストレスや対人関係のストレスが軽減されるという印象があります。
一方で、環境の変化はストレスの要員となったり、コミュニケーション不足や物理的な運動不足の減少など、テレワークならではの課題も浮き彫りとなり、それに伴うメンタルヘルスケア対策も注目されるようになりました。
今回は、これからの健康経営に求められる事やメンタルヘルスケアを行う利点やケアについて解説してゆきます。
健康経営とは
健康経営とは、健康管理を重要な経営課題の1つとして経営的な視点で向き合うことで、従業員の健康保持や健康増進を目的とした企業側の積極的な取り組みは、コストではなく将来への投資であるという考え方に基づいています。
メンタルヘルス対策を行う事で、従業員がより健康になり組織が活性化する事で生産性の向上に繋がり、結果的には業績の向上や企業価値を高めることに繋がります。
従業員の健康管理は企業の将来性を左右する重要な課題となっているため、政府も健康経営を推進するさまざまな制度や助成金を実施しています。
対して、「不健康経営」と言われる状態の企業では従業員の健康状態の悪化がモチベーションの低下や生産性の低下・離職率の増加に繋がり府のスパイラルに入ってしまいまいます。
負のスパイラルに入る前に健康管理をすることが大切でしょう。
働き方改革の一環で普及したテレワークのストレス対策も健康経営は適していると言われています。
テレワークにおけるストレスとは
それではテレワークをしている従業員は、実際にどのような事が要因となりストレスを抱えてしまうことになるのでしょうか。
長時間労働
テレワークでは会議や打ち合わせなどもオンライン上で行われることが多く、長時間同じ体制で座っている状態となります。
通勤のストレスは削減できる一方で慢性的な運動不足などでストレスを感じたり苦痛に感じる場合があります。
また、通勤時間が無いため仕事が終わらない場合などは遅い時間まで働きすぎてしまったりと長時間労働をしてしまっている可能性があるので注意が必要です。
企業側としても従業員の働いている様子が見えない為、テレワークを行う際は「RemoLabo」などのツールを導入することをお勧めいたします。
コミュニケーション不足・孤独感によるストレス
オフィスに出勤していた時とは異なり、日常的な会話や業務に関する相談、何気ない雑談や人との触れ合いが減少したことで寂しいと感じたり孤独感を感じる人が増加しています。
急を要する質問や内容など今までであればすぐに回答をもらえていた場合でも、テレワークではメールやチャットを送り相手からの返事を待つ必要があります。
急いでいるときほど相手の返事が待ち遠しく感じたり、直接の対話が出来ずに円滑にコミュニケーションが取れないことをストレスと感じる人も少なくないでしょう。
現在ではテレワークで不足しがちなコミュケーションを支援するようなツールも増えてきている為、企業側は従業員が孤独を感じないような環境を整備する必要があるでしょう。
運動不足や生活リズムの乱れ
通勤の歩く時間以外にも外に出る機会が減るため、体力が低下したり運動不足に陥る人も多いと言われています。
①と被る点もありますが、1日中PCの前に座ってい居ることは視力低下や頭痛・肩こり・腰痛などの要因になりえます。
休憩時間はストレッチをしたり、散歩に出かけたり、気分転換に窓を開けて空気を入れ替えたりと気持ちをリフレッシュさせることが大切でしょう。
また、通勤時間が無くなることで翌朝早起きをしなくていいと夜更かしをしてしまい、生活リズムが夜型になってしまうと、メンタルの不調や睡眠不足などが懸念されます。
厚生労働省が推奨する4つのケア
平成18年3月に定めた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中で、メンタルヘルス対策を効果的に進めるために必要なケアを4つ推奨しています。
それでは、4つのケアについてご紹介します。
参考(厚生労働省:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」)
セルフケア
事業者は労働者に対して、次に示すセルフケアが行えるように教育研修、情報提供を行うなどの支援をすることが重要です。
また、管理監督者にとってもセルフケアは重要であり、事業者はセルフケアの対象として管理監督者も含めましょう。
具体的な支援例としては、以下のような方法が挙げられます。
・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解
・ストレスチェックなどを活用したストレスへの気付き
・ストレスへの対処
ラインによるケア
ラインによるケアで大切なのは、管理監督者が「いつもと違う」部下に早く気付くことです。
「いつもと違う」という感じをもつのは、部下がそれまでに示してきた行動様式からズレた行動をするからです。
それまで遅刻をしたことなどなかった部下が遅刻を繰り返したり、無断欠勤をしたりするようになった状態です。
日頃から部下に関心を持って接しておき、いつもの行動様式や人間関係の持ち方について知っておくことが必要です。
・職場環境等の把握と改善
・労働者からの相談対応
・職場復帰における支援、など
事業場内産業保健スタッフ等によるケア
事業場内産業保健スタッフ等は、セルフケア及びラインによるケアが効果的に実施されるよう、労働者及び管理監督者に対する支援を行うとともに、次に示す心の健康づくり計画の実施に当たり、中心的な役割を担うことになります。
具体的な支援例としては、以下のような方法が挙げられます。
・具体的なメンタルヘルスケアの実施に関する企画立案
・個人の健康情報の取扱い
・事業場外資源とのネットワークの形成やその窓口
・職場復帰における支援、など
事業場外資源によるケア
専門的な知識を有する機関や専門家を活用したケアのことで、具体的には以下のようなことが挙げられます。
・情報提供や助言を受けるなど、サービスの活用
・ネットワークの形成
・職場復帰における支援、など
まとめ
企業として従業員の健康管理・維持をすることはとても大切な事です。
テレワーク社員のヘルスケアは、生産性の向上にもつながる重要なポイントとなっています。
メンタルヘルス対策を行っていない企業はぜひ今回の機会に、すでに行っている企業は今一度テレワーク時のことを視野に入れて見直してみると良いかもしれません。