男性社員に育児休業を取得させると助成金がもらえるって本当?

共働き世帯の増加に伴って働く女性が増えている昨今、女性の育児休業の取得率は80%を超えてきています。

一方で男性の育児休業取得率は上昇傾向にはあるものの現状は6%程度となっており、女性と比較するとかなり低い数字に留まっていると言えます。

 

厚生労働省では今年2020年までに男性の育児休業取得率を13%にすることを目標としてきましたが、達成にはまだまだ届かない状況です。

低迷している男性の育休取得率を底上げするため、厚生労働省は男性に育児休業を取得させた企業に対して助成金を支払う制度を拡充しています。

男性社員が育児休業を取得すると助成金が出る

育児休業 男性

なかなか取得率の上がらない男性の育児休業の取得率を向上させるために推進される通称イクメンプロジェクト。

男性社員に育児休業を取得させると、どのような助成金を受けることができるのでしょうか。

厚生労働省から支払われる助成金

両立支援等助成金(出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金))

こちらは、男性労働者が子どもの出生後8週間以内に連続14日 (中小企業は連続5日)以上育児休業を取得した場合に、厚生労働省から事業主に対して支払われる助成金です。

〇支給額

支給額は以下の通りです。※支給額 < >内は、生産性要件を満たした場合の支給額となっています。

生産性要件の詳細ついては厚生労働省のHPをご参照ください。

中小企業中小企業以外
1人目の育休取得57万円<72万円>28.5万円<36万円>
個別支援加算 NEW10万円<12万円>5万円<6万円>
2人目以降の育休取得a 育休 5日以上:14.25万円<18万円>
b 育休14日以上:23.75万円<30万円>
c 育休1か月以上:33.25万円<42万円>
a 育休 14日以上:14.25万円<18万円>
b 育休1か月以上:23.75万円<30万円>
c 育休2か月以上:33.25万円<42万円>
個別支援加算 NEW5万円<6万円>2.5万円<3万円>
育児目的休暇の導入・利用28.5万円<36万円>14.25万円

男性社員に育休を取得させるだけでこれだけの助成金を受けられるのは大きいですよね!

さらに2020年度は、男性の育児休業を取得しやすい職場風土づくりの取組に加えて、対象男性労働者に対し、育児休業取得前に個別面談など育児休業の取得を後押しする取組を行った場合に個別支援加算の金額も支給されます!

主な支給要件

①② 男性労働者の育休取得

●男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りのため、以下のような取組を行うこと。

・男性労働者の育児休業取得に関する管理職や労働者向けの研修を実施する。

・男性労働者を対象にした育児休業制度の利用を促進するための資料配布等を行う。

●男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続14日 (中小企業は連続5日)以上の育児休 業を取得すること。 (※育児休業期間が5~14日未満の場合は所定労働日が4日以上、育児休業期間が14日以上の場合は所定労働日が9日 以上含まれていることが必要です。)

 

③ 育児目的休暇の導入・取得

●育児目的休暇制度を新たに導入し、就業規則等への規定、労働者への周知を行うこと。

●男性労働者が育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りのため、以下のような取組を行うこと。

・男性労働者の育児休業取得に関する管理職や労働者向けの研修を実施する

・男性労働者を対象にした育児休業制度の利用を促進するための資料配布等を行う

●上記の新たに導入した育児目的休暇を、男性労働者が、子の出生前6週間から出生後8週間 の期間中に、合計して8日(中小企業は5日)以上所定労働日に対して取得すること。

(参考:厚生労働省HP 2020年度 両立支援等助成金のご案内)

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

こちらは育休取得に関連する計3つのタイミングで、それぞれ要件を満たした場合に厚生労働省から支払われる助成金です。※中小企業事業主のみ対象

タイミング①育休取得時・職場復帰時

「育休復帰支援プラン」を作成し、プランに沿って労働者の円滑 な育児休業の取得・職場復帰に取り組み、育児休業を取得した労働 者が生じた中小企業事業主に支給されます。

〇支給額

支給額は以下の通りです。※支給額 < >内は、生産性要件を満たした場合の支給額となっています。

生産性要件の詳細ついては厚生労働省のHPをご参照ください。

支給額
A 休業取得時28.5万円<36万円>
B 職場復帰時28.5万円<36万円>
職場支援加算19万円<24万円>
※「B 職場復帰時」に加算して支給

※職場復帰時は、育休取得時を受給していない場合申請不可。また、A・Bとも1事業主2人まで支給

(雇用期間の定めのない 労働者1人、有期雇用労働者1人)

〇主な支給要件

A:育休取得時

●育児休業の取得、職場復帰についてプランにより支援する措置を実施する旨を、あらかじめ労働者へ周知すること。

●育児に直面した労働者との面談を実施し、面談結果を記録した上で育児の状況や今後の働き方についての希望等を確認のうえ、プランを作成すること。

●プランに基づき、対象労働者の育児休業(産前休業から引き続き産後休業及び育児休業をする 場合は、産前休業。)の開始日の前日までに、プランに基づいて業務の引き継ぎを実施し、対 象労働者に、連続3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合は、 産後休業を含む)を取得させること。

 

B:職場復帰時

※「A:育休取得時」の助成金支給対象となった同一の対象労働者について、以下の全ての取組を行うことが必要です。

●対象労働者の育児休業中にプランに基づく措置を実施し、職務や業務の情報・資料の提供を実施すること

●育休取得時にかかる同一の対象労働者に対し、育児休業終了前にその上司又は人事労務担当者 が面談を実施し、面談結果を記録すること。

●対象労働者を、面談結果を踏まえ原則として原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの 間、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること。

●「職場支援加算」は、代替要員を確保せずに、業務の効率化、周囲の社員により対象労働者の 業務をカバーした場合に支給します。(「Ⅱ 代替要員確保時」との併給はできません。)

タイミング② 代替要員確保時

育児休業取得者の代替要員を確保し、か つ育児休業取得者を原職等に復帰させた 中小企業事業主に支給されます。

〇支給額

支給額は以下の通りです。※支給額 < >内は、生産性要件を満たした場合の支給額となっています。

生産性要件の詳細ついては厚生労働省のHPをご参照ください。

 支給額
支給対象労働者1人当たり47.5万円<60万円>
有期雇用労働者の場合に加算9.5万円<12万円>

※1事業主あたり1年度10人まで支給。(5年間)

〇主な支給要件

●育児休業取得者を、育児休業終了後、原職等に復帰させる旨を就業規則等に規定すること。

●対象労働者が3か月以上の育児休業(産後休業の終了後引き続き育児休業をする場合は、産後 休業を含む)を取得し、事業主が休業期間中の代替要員を新たに確保すること。

●対象労働者を上記規定に基づき原職等に復帰させ、原職等復帰後も申請日までの間、雇用保険 被保険者として6か月以上継続雇用していること。

タイミング③  職場復帰後支援

育児休業から復帰後、仕事と育児の両立が 特に困難な時期にある労働者のため、以下 の制度導入などの支援に取り組み、利用者 が生じた中小企業事業主に支給されます。

〇支給額

支給額は以下の通りです。※支給額 < >内は、生産性要件を満たした場合の支給額となっています。

生産性要件の詳細ついては厚生労働省のHPをご参照ください。

 支給額
制度導入時28.5万円<36万円>
制度利用時A:子の看護休暇制度 1,000円<1,200円>×時間
B:保育サービス費用補助制度 実費の2/3

※制度導入については、AまたはBの制度導入時いずれか1回のみの支給。 制度導入のみの申請は不可。

※制度利用は、最初の申請日から3年以内5人まで支給。 1事業主当たりの上限は、A:200時間<240時間>、B:20万円<24万円>まで。

〇主な支給要件

●育児・介護休業法を上回る「A:子の看護休暇制度(有給、時間単位)」または「B:保育サー ビス費用補助制度」を導入していること。

●対象労働者が1か月以上の育児休業(産後休業を含む。)から復帰した後6か月以内において、 導入した制度の一定の利用実績(A:子の看護休暇制度 は10時間以上(有給)の取得または B:保育サービス費用補助制度は3万円以上の補助)があること。

(参考:厚生労働省HP 2020年度 両立支援等助成金のご案内)

東京都から支払われる助成金

厚生労働省の助成金とは別に、東京都が公益財団法人東京しごと財団と連携して支払う助成金もあります。

育児中の女性の就業継続や男性の育児休業取得を応援する企業が対象となっています。

※申請は各コース一事業者につき、一事業年度に2回のみ。

働くパパママ育休取得応援事業(働くママコース)

1年以上の育児休業を取得させ、育児中の雇用を継続する環境整備を行った都内中小企業・法人等に支払われる助成金です。

働くママコースという名前ではあるものの、男女問わずに利用できます。

〇支給額

奨励金額125万円

〇主な支給要件

●1年以上の育児休業から原職に復帰し、復帰後3か月以上継続雇用されている従業員が在籍する都内中小企業 ・法人 (従業員数300名以下)であること

●育児・介護休業法に定める取組を上回る、以下のいずれかの取組について就業規則に定めていること。

ア 育児休業等期間の延長

イ 育児休業等延長期間の延長

ウ 看護休暇の取得日数上乗せ

エ 時間単位の看護休暇導入

オ 育児による短時間勤務制度の利用年数の延長

●育児休業中の従業員に対して、復帰支援の面談を1回以上実施及び復帰に向けた社内情報・資料提供を定期的に実施したこと。

働くパパママ育休取得応援事業(働くパパコース)

こちらは、男性従業員に連続15日以上の育児休業を取得させ、育児参加を促進した都内企業・法人等に支払われる助成金です。

〇支給額

育児休業連続15日取得で25万円、15日取得以降15日ごとに25万円加算、上限300万円

〇主な支給要件

連続15日以上の育児休業を取得した後、原職に復帰し復帰後3か月以上継続雇用されている男性従業員が在籍する都内企業・法人(企業規模不問)であること

(参考:東京しごと財団HP)

まとめ

今回は男性従業員に育児休業を取得させた際に受け取ることのできる助成金について紹介してきました。

助成金を上手く利用して男性従業員にも育児休業を取得させ、従業員満足度の向上や離職率低下などに繋げましょう。