2022. 9. 21 勤怠・労務

時間外労働にかかわる36協定とは?特別条項や注意点も紹介

働き方改革によって制定された36協定。名称はよく耳にすると思いますが、その内容を正しく理解できていますか?時間外労働に強くかかわる36協定について正しく理解し、法律を順守して働けるよう詳しく解説していきます。

時間外労働に対しては決まりごとがあり、そのうちの36協定についてご存じでしょうか。36協定を結んでいないと罰則となってしまうケースもあるため「何のために必要なのか?」内容を理解しておく必要があります。

今回は、36協定に併せて特別条項についても紹介します。

36協定とは?

36(サブロク)協定とは、時間外労働や休日労働に関する協定のことで、企業と従業員の間で締結します。労働基準法では、法定労働時間を1日8時間・週40時間までと定めており、これを超えての労働はできません。そのため、基準を超えて労働を行なう場合、従業員と36協定を締結する必要があります。

36協定を締結することによって残業をすることは可能になりますが、残業の中でも労働時間の上限が定められています。時間外労働は1か月45時間、年間360時間までです。業務上やむを得ない場合や特別な事情を除き、上限を超えることは認められていません。

しかし、繁忙期など特別な事情がある場合、両者間の合意で上限が緩和される「特別条項」があります。適用するには、以下の条件が必要です。

● 時間外労働が年720時間以内
● 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
● 時間外労働と休日労働の2〜6か月の平均が月80時間以内

ただし、延長できるのは年6回までで、超過した場合は違法とみなされます。

36協定締結の注意点について

36協定を締結する際の注意点は、次の通りです。

所定休日の労働時間

36協定では、所定休日の労働時間は時間外労働に加算される一方で、法定休日の出勤は時間外労働の対象外です。違いを適切に把握していなければ、36協定違反になる恐れがあります。

36協定の適用外となる職種

以下の職種は36協定の適用外です。

● 工作物の建設や解体に携わる職種
● 自動車を運転する職種
● 新技術の研究開発に携わる職種

ただし、一部の職種は、2024年4月1日から36協定の上限規制の対象に変わるため、締結漏れに注意が必要です。

36協定届の提出について

36協定届は、労働基準監督署の窓口で受け付けているほか、e-Govから電子申請できます。有効期限は企業によりますが、1年と定めている場合が多い傾向です。

まとめ

時間外労働にはルールが定められており、36協定の締結が必要です。36協定の締結なしに時間外労働をさせると、企業や責任者に罰則があります。法律違反を避けるためにも、36協定の内容を理解して対応するようにしましょう。