皆さんは「イクボス」という言葉を皆さんはご存じでしょうか。
イクボスとは同僚や部下のワークライフバランスを考慮し個人のキャリアと企業の業績両方を成立させることを目指す上司(経営者・管理者)の総称です。
今回はそんなイクボスについて解説して行きます。
イクボスとは
イクボスとはイク(育児の育が基となった言葉で)ボスは英語のBOSS(上司)が合わさった造語で、
その名の通り子育てをしやすい環境を整えたり、子育てに理解のある上司のことで、その人のキャリアを応援しながらら組織の業績も出しつつ、自らも私生活と仕事を楽しむことができる上司(管理者・管理者)です。
ボスと言う言葉から男性の上司の事だと思う方も多いかもしれませんが、女性も対象となっています。
近年、女性の社会進出や共働き率が向上したことにより、女性だけではなく男性の育児休暇取得も推進されるようになり、
このイクボスと言う言葉を耳にする機会増えたと感じる方も多いのではないでしょうか。
イクボス10か条
イクボスに重要な10カ条を「イクボス10カ条」と呼び、この10カ条の過半を満たしていることがイクボスの証となります。
①理解
現代の子育て事情について理解があり、部下や同僚が育児に時間を割くことにも理解を示していること。
②ダイバーシティ
仕事よりも育児を優先することがある部下や同僚に対して差別や冷遇をせず、ダイバーシティな経営を行っていること。
③知識
ライフのための社内制度(育休制度など)や法律(労基法など)をよく知っていること。
④組織浸透
自分の管轄下の組織全体に、育児に時間を割くよう積極的に推奨して、育児への意識の浸透を図っていること。
⑤配慮
転勤や単身赴任など、部下のライフに大きく影響を及ぼす人事については、最大限の配慮をしていること。
⑥業務改善
育休・介休取得者などが出ても業務が滞らないよう、情報共有やチームワーク醸成などの手段を講じていること。
⑦時間捻出
部下がライフの時間を取りやすいように、会議の削減、書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進めていること。
⑧提言
自分の上司や人事部などに対し、部下や同僚の育児に配慮した経営を行うように提言していること。
⑨有言実行
イクボスのいる組織や企業は業績も向上するということを実証し、社会に広める努力をするということ。
⑩隗(かい)より始めよ
イクボスである自分自身がワークライフバランスを重視し、人生を楽しんでいること。
イクボスが企業にもたらすメリット
それでは、イクボスが増えることで企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。
組織のチームワークの向上
時短勤務や休暇取得の従業員が増えることで、誰がいつ休んでも円滑に業務が進むようにチーム全体で情報を共有して業務を進めるようになるため助け合いのできる柔軟な組織ができあがり、チームワークが向上します。
また、私生活を尊重してもらえることで従業員の業務に対するモチベーションは向上し、尊重してくれる上司への信頼も高まります。
企業イメージのアップ
現在は女性活躍などダイバーシティな働き方が注目される時代となっています。
結婚後の働き方や、時短勤務やテレワークなどの子育て中の働き方や待遇など柔軟に対応しているということで、時代になった柔軟な働き方ができる企業は注目をされています。
また、イクボスが多い企業ということを会社の宣伝や広報にも活用する事が出来ます。
企業のイメージがアップし結果として求職者の増加など、企業にもたらすメリットがあると言えます。
従業員満足度の向上
ワークライフバランスが整っている職場環境であれば、鬱などの労災にまつわる病気の罹患率を下げられるほか、出産や育児のために離職をする必要がなくなるので、従業員のやむを得ない理由での離職の防止をする事が出来ます。
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自社内でのイクボスの推進方法
イクボスの導入で必要なものは下記の通りです。
業務量の調整・可視化
2019年の4月に働き方改革関連法が施行され、長時間労働に規制がかかるようになり、残業時間が厳しく取り締まられるようになりました。その為、企業は残業時間を削減する必要があります。
現場社員の残業時間を減らすことで、管理職にしわ寄せがいってしまうというケースが多く見受けられます。
業務過多の状態では管理職が育児と仕事の両立・従業員のサポートがむずかしくなってしまいます。
まずは、今現在の業務内容や業務範囲を可視化し、従業員を疲弊させていないか業務量を調整する必要があります。
育児休暇や特別休暇など支援制度の見直し
育児・介護休暇などは法律によって定められた法定休暇であり、従業員が自発的に取得できるようする必要があります。
イクボスを社内で促進させるためには、自社独自の制度や休暇制度を検討する必要があるでしょう。
また、折角休暇制度や育児制度を取り入れても、育児休暇を取得しにくい雰囲気にならないように、管理職が自ら制度を利用するようにしましょう。
柔軟な働き方ができるように
イクボスを促進させるためには、オフィスへの出社を絶対とするのではなく、テレワーク制度やフレックスタイム制度など在宅でも業務ができたり、柔軟な働き方ができる環境を整える事も大切でしょう。
まとめ
このP&Cラボでも、男性社員に育児休業を取得させると助成金がもらえるって本当?の記事が多くの方に読まれている人気記事となっています。
育児と仕事の両立は今多くの人に注目されている課題となっているのでしょう。
イクボスを社内に普及させることは、働き方改革が求められている今、今後より一層こういった動きが推進されていく事となるでしょう。 今のうちから企業に問理れてみてはいかがでしょうか。